ウマイ キノコ・・・

釣りには直接関係ないが・・・・
9月の連休、奥利根へお仲間とキャンプに出かけた。 2泊3日。
キャンプサイトはブナ林で、サイトも広く、とてもキモチがいい。
メインのタープの脇には、朽ちても尚立ちつづける巨木。
見上げると地上から約4mくらいのところに大量のキノコが生えている。
「あのキノコなんだろね?」
なんてハナシをしながら、ブランコ作ったり、釣りしたり、リコボウ(ハナ
イグチ というきのこ) でキノコ汁を作ったりして、秋の奥利根を満喫して
いました。

そして、なんだかんだで楽しく過ぎた最終日の朝、なにを狂ったか、
突如ヌマさん がその 朽ちた巨木を登り始めた。

ロープをハーネス、ストッパー代わりにして、職人のように登っていく。

「あのキノコとったる!」

巨木に登ったヌマさんは、巨大ザルに間違えらてもおかしくない。

やっと手が届くところで一欠片GET!

舗装されている林道があり、そこから巨木まで数メートル。
林道には秋の行楽を楽しむ人の車が行き来している。

ちょうどそこにドライブがてらの車がが停まり 50〜60歳くらいの、
おばさん 2人、おじさん1人が 下りてきた。

その中の化粧の濃いオババが言った。
「あのキノコはねぇ ヒラタケ っていって、すごくオイシ
 ーのよ!、麓の
売店じゃ 1パック¥2500 くらいする
 のよ!」


総勢5名・・色めきたった。
「え?食えるの? オイシーんだって!」
「じゃぁさっそく食って見ようよ!」
ハカリさんのキャンプ武器
「中華鍋」がバーナーにかけられ、その中に数片に割っ たキノコを 入れる。
味付けはとりあえず醤油のみ。
サっと炒めて、皿に移す。
「試食ターイム」
最初にヌマさんが、つまみ上げて口に入れる。

「あ・・・うまい・・」

そして次々に皆が試食。

「うまい!」
「うまいじゃん!」


ほんとうにうまいのだ!
「昼のメニューは決まったね。」

「もっと採ろう!」

にんまりしたヌマさんが用意をし始める。
足をロープにかけたとき、
頭に手ぬぐいを巻いた「本格きのこ採りおばちゃん」が 、近くを通りかかった。
ぼくは、そのおばちゃんに
「あのキノコ、ウマイんですよね!」
と話しかけた。 するとオバチャン・・・

「ダメダメ!あんなの食べたら死んじゃうよ!」
「えっ? さっき食べれるって聞いて、少し食べちゃった・・・」
「ダメよ!ゲリするよ!」
「?????」
「だめだよ!食べちゃ!」


そう言い残し去っていった。
そのやりとりを聞いていたヌマさんは、気まずそうにソロソロ下りて来た。
しのぶさん・・
「しんじゃうってよ・・・げりするってよ・・・」
「えっ??・・だって・・さっき・・・」
その場はとりあえずキノコの採取をあきらめ、様子を見ることにした。
「だいじょぶだよ、きっと。」
「うまかったじゃん。どくなわけないよ」

仮に毒だったとしたら、全員病院直行・・・ヘタをすると命まで・・・
日が昇り、昼近くになっても一同イマイチ パっとしない。
そして11:50・・・・・ヌマさんがゲロゲロ・・・

「きっと昨日よく眠れなかったし、体調のせいだよ」

もしそうなると、ヌマさんの車に同上するボクが運転して帰ることになる。
「ヌマさん、ぼく運転して帰りますから休んでてくださいよ・・・」
しかし、これは、ヌマさんだけではなかった。
つづいて 忍さん・・マコトさん・・・ そして・・ぼく・・次々にゲロゲロが始まっ
たのである・・・
やはり、あの手ぬぐいおばちゃん のいうことが正しかったのだ。
「ドクだった〜」

食ったのは2切れ程度・・・それだけでこの騒ぎ・・・たいした「毒」である。
1っこ欠片が出たような、出ないような・・・。
水を飲んだり、しながら、毒性を薄めようと試みてみる。
もう液体しか出てこない・・・。

普段酒をのんでも、めったにモドすことはないので、ヒジョーに苦しい。
みんな10〜15分おきに3度4度、ヤブの中へ消え、遠くから「ゲロゲロ」の
音だけが響いてくる。

その中で一人きり平気な人がいる・・ハカリさん・・・。
「どうせなら食えるうちに食っとこう!」

そういって、桃缶、お菓子、メシ・・・食い一筋・・・。

「なんかぜんぜん平気だよ・・」

そして、14:00・・いきなり立ち上がったと思ったら、チェアの後ろで
「どわげろ〜」
とぶちまけた・・。

これで全員被弾。
15:00 全員ヘロヘロになりながら、撤収開始。
16:00ヌマさんはほとんど回復したようだ。
皆一斉にキャンプサイトを後にしたが、各車バラバラ。
特に一番後にキた ハカリさんは「少し休んでいく・・」といって 車で寝込んで
しまった。
ボクはヌマさんの車に同上したのだが・。 水上のインターまでに2回の休憩
を要した。 そ

の後、シノブさんが帰宅後「キノコ図鑑」で 「ヒラタケ」と「ツキヨタケ」を調べ
てみたら、これまたそっくり。

全員とりあえず無事に帰宅し、翌日マスターのところで再会を 果たすことが
できたのは不幸中の幸い。
今回の一部始終は全てビデオに収められている。
もし、あのとき 「本格キノコ採りおばちゃん」が通りかからなかったら・・・・
みんな病院送りか天国送り・・・・・